私がアトピーを発症したのは小学生のときです。
いつの間にか首のうしろが痒くなり、いつも掻いていました。
気がつくと赤い湿疹ができ、医者から処方された薬をつけても痒みと赤味は治まらず、徐々に頭にまで広がっていました。
社会人になってからは手にポツポツと水泡ができました。
痒みを伴う水泡は、やがて少しずつ広がり悪化。いつの間にか、ジクジクした状態とバリバリしたひび割れを数週間ごとに繰り返すようになりました。
ひび割れの時は、水でもお湯でも滲みて刺すように痛く、ぬるま湯に、そーっと手を浸しながら顔や手を洗う毎日。握るとひび割れが痛いのでタオルをまともに絞ることもできなくなりました。
また夜中には痒みが強まり、寝ていても無意識に掻くので、朝になると包帯が膿で黄色く変色する日もありました。
醜い手を見られるのは恥ずかしかったのと擦れて痛くなるのを防ぐため、いつも包帯を巻いていました。まるでミイラのように、包帯は手放せない必需品になっていたのです。
病院にも通いましたが、処方された塗り薬を付けるだけで、生活習慣を変えるといった対策はしませんでした。
むしろ離婚したストレスや仕事の憂さをアルコールで発散したり、一人暮らしだったので食生活がおろそかになったりして、不摂生な生活を続けていました。
ですから、せっかくの薬の作用も半減していたかもしれません。薬は期待したほど効果が感じられませんでした。
さらに医者からはアレルギーが関係していると言われ、食べてはいけない食材をたくさん告げられるようになり、心の負担はますます増えました。
ある日、仕事先で出会った人から、食生活を見直してはどうかと勧められました。
その人からは「アトピーを治すには、からだの中からきれいになることが必要で、そのためには栄養バランスだけでなく添加物や農薬といった面にも目を向けるべきだ」と意見されました。
そのアドバイスが私を刺激したのか、数か月たったある日、それまでアトピーに対して漫然とやり過ごしていた生活から、一転、薬にも頼らず自己治癒力で治そうという強い決意が湧いてきました。
まずは食生活を見直し、アルコールを控え外食も減らすように心がけました。
そして野菜、調味料、石鹸、シャンプー、衣類などを、できるだけ無農薬、無添加製品に切り替え、ダニ対策として部屋をフローリングにするリフォームも行いました。ジョギングしたり散歩したり、軽い運動も取り入れました。
症状がまったく改善されず、むしろ悪化した時期もあり、何度も薬に頼ろうと思ったこともありました。
でも、その都度「きっと治る」という強い信念を持ち続け、数か月経った頃からは少しずつ改善の兆しが見え始めました。
そして1年経過した頃には重いアトピー症状から「脱出」することができました。
アトピーは「からだ」からのメッセージ
アトピーになったことがきっかけで、自分の生き方に、大きな気づきを得ることになりました。
今では畑を借りて野菜や米を無農薬で作ったり、調味料や洗剤などは天然、自然の製品を使ったりして、できるだけナチュラルな生活を心がけています。
それでも不摂生を続けたときや梅雨時の季節になると、軽いアトピーを発症することもあります。
でも、そういう時は体調のバロメータだと捉えるようにしています。そして、からだを労わるように心がけると、症状は治まってきます。
もし、あなたが今アトピーで辛い思いをしていても、ぜひ希望を持って改善に向けて取り組んください。
時間はかかるかもしれませんが、「からだ」からのメッセージを聴き、生活習慣を見直すことによって、徐々にアトピーは改善されていくはずです。私はそう信じています。