アトピーになるのは子供だけではありません。大人でもアトピーになったり、アトピーが再発したりして悩んでいる人は大勢います。
アトピーを治すには「新鮮で栄養バランスの良い食事をする」「十分に睡眠をとる」など、生活習慣を健康的にすることがポイントです。生活習慣はアトピーに大きく関わっているからです。
実際に私は社会人になってからアトピーが再発し、日常生活に困難を生じるほど症状が悪化しました。しかし外食を減らし、バランスの良い食事を心がけたり、夜更かしを止めたりするなど、生活習慣を改善したことによって、アトピーができなくなりました。
ここでは「大人のアトピーに関係が深い生活習慣」と「大人のアトピーケアにおすすめする、生活習慣の改善方法」を紹介します。
Contents
大人のアトピーが悪化する3つの原因
大人のアトピーと大きく関係している要因に、「食生活の乱れ」「睡眠不足」「ストレス」があります。
食生活の乱れ
食生活の乱れは、アトピーの悪化につながります。毎日の食習慣によって、皮膚は少しずつ影響を受けるからです。
毎日が栄養バランスの良い食生活であれば、皮膚は健康になると感じている人は多いと思います。しかし実際に健康的な食生活を習慣にするのは、大人にとって難しい事情がいくつもあります。
たとえば大人で一人暮らしをしている人は多いと思います。一人暮らしでは、料理をするのがつい面倒になりがちです。そのような人は、どうしても食事の栄養バランスが偏りやすくなります。
また毎日が仕事で忙しい人であれば、食事時間が不規則になったり、夜食を食べたりすることが習慣になっているかもしれません。そうした習慣は内臓に負担をかけ、アトピーの悪化につながる恐れがあります。
親が食事の面倒をみてくれる子供と違って、大人はどんなに仕事や育児で疲れていても、自分で食事を用意しなければなりません。そのため大人にとって、食生活を健康的に管理するのは、意外に難しいものなのです。
しかし食生活の乱れは、アトピーを治りにくくさせます。アトピーを治すには、できるだけ食生活が乱れないように心がけることは大切です。
睡眠不足
睡眠不足はアトピーを治りにくくさせます。
十分な睡眠を取らないと、成長ホルモンがしっかり働くことができないからです。
成長ホルモンには、皮膚の修復を助ける働きがあります。そして成長ホルモンの分泌が最も活発になるのは、寝ている時間帯です。睡眠不足を続けていると、皮膚が修復する力は弱められてしまうのです。
また睡眠不足は、皮膚が炎症を起こしやすい体質になる恐れもあります。睡眠不足が続くと、「免疫力に関わる細胞の働き」が弱まり、体は炎症を起こしやすくなるからです。
このように睡眠とアトピーには、大きな関わりがあります。
ところで多くの大人は慢性的な睡眠不足に陥っています。
たとえば「パソコンやスマートフォンを使って、夜遅くまでインターネットを見る」、「残業や飲酒などで、毎日の帰宅が遅くなる」といった生活習慣は、大人が睡眠不足になりやすい原因です。
前述したように、睡眠不足はアトピーの改善を妨げます。アトピーを治すには、睡眠不足にならないように気を付けることが必要です。
ストレス
ストレスはアトピーを悪化させます。
ストレスは免疫に関わる細胞を傷つけ、炎症を抑える体の力を弱めてしまうからです。
またストレスは自律神経を乱します。自律神経は「臓器の働き」や「血液の循環」といった、体の重要な機能をコントロールしています。そのため自律神経が乱れると体は健康を保つことが難しくなり、アトピー症状の悪化にもつながります。
大人にはストレスを引き起こすような原因がたくさんあります。
たとえば「就職や転職、結婚といった環境の変化」「育児、介護による肉体的・精神的な疲れ」「人間関係のトラブルや悩み」などです。
ストレスでイライラすると、無意識に皮膚を引っ掻いてしまうことも多く、ますますアトピーを治りにくくさせてしまいます。
アトピーを悪化させないためには、ストレス対策が大切です。
大人のアトピーケアにおすすめする、生活習慣の改善方法
ここからは大人のアトピーを治したい人におすすめする、「生活習慣の改善方法」を紹介します。
新鮮な食材を食事に取り入れる
アトピーを治すために食生活を見直すのであれば、栄養面に気を配るだけではなく、新鮮な食材を食事に取り入れることをおすすめします。
私たちの体は食べたものによって作られているので、新鮮な食材を取り入れることによって、体が自然に治ろうとする「自然治癒力」が高まるからです。
たとえば新鮮な野菜は保存しているうちに芽が出たり、育ち続けたりすることがあります。野菜に生命力があるからです。
これに対して古くなった野菜や冷凍された野菜には、芽が出たり育ち続けたりする力はありません。
そして芽が出たり、育ち続けたりするような新鮮な食材を食べることは、自然治癒力を高めることにつながります。
また新鮮な食材を取り入れるときには、できるだけ生で食べることがおすすめです。
生で食べることによって、皮膚の新陳代謝(細胞が新しいものに入れ替わる働き)を促す「酵素」をとることもできるからです。
ところで新鮮な食材を選ぶときに気をつけたいのは「食品添加物」です。
食品添加物は保存できる期間を長くしたり、見栄えを良くしたりするために使われます。
そのため食品添加物によって、新鮮に見えているだけの食材もあります。
食品添加物は体にとって不要な物質です。
見た目が新鮮に見えても、そこに多くの食品添加物が使われていたら、自然治癒力を高める助けとならないばかりか、アトピーを悪化させる恐れにつながります。
アトピーを治すには、食品添加物が使われていない新鮮な食材を選ぶことが大切です。
就寝前にパソコンやスマートフォンを使わない
スマートフォンの普及によって、いつでもどこでもインターネットを見たり、友人、知人とコミュニケーションを取ったりすることが可能になりました。
しかし寝る直前までスマートフォンを使う習慣は睡眠の質を下げ、アトピーの改善を妨げてしまいます。
睡眠には「傷ついた細胞の修復」や「皮膚を柔らくするホルモンを分泌する」といった働きがあります。そのため睡眠を十分に取ることは、皮膚の回復にとても役立つのです。
ところが就寝前にパソコンやスマートフォンを使うと、体は「活動する時間が続いている」と錯覚して、眠気が抑えられてしまいます。
パソコンやスマートフォンの画面から出る青い光(ブルーライト)には、太陽光線と同じ作用があるため、体が「活動する時間帯」と認識してしまうからです。
質の良い眠りを得てアトピーケアをサポートするには、就寝の1時間前までに、パソコンやスマートフォンの利用を終わらせることが必要です。
寝るときにアイマスクをつける
十分な睡眠がアトピー対策に良いと分かっていても、どうしても睡眠不足になってしまうことがあると思います。
そのようなときには、アイマスクの利用をおすすめします。
アイマスクによって光が遮断されると、熟睡につながりやすいからです。
人は目を閉じていても、瞼(まぶた)を通して光を感じます。そのため光があると脳は休まらず、質の良い睡眠ができません。
たとえばカーテンから漏れる明かり、スイッチの補助ランプ、充電しているスマートフォンの明りなど、寝室で完全に光を遮断することは意外と難しいものです。
しかしアイマスクを利用すれば、光が遮断される睡眠環境を作り出すことができます。部屋に明りが漏れていたとしても、脳が休まり、質の良い睡眠につながります。
体を動かす
体を動かすと血液の流れが良くなり、細胞が新しいものに生まれ変わる力が高まります。
さらに人には体を動かすことによって、ストレスが解消される仕組みが備わっています。
日ごろから積極的に体を動かす習慣を持ちましょう。
ウォーキング、ジョギング、ヨガ、ストレッチといった軽い運動は、ストレス解消にもなるのでおすすめです。
旅行やカラオケなどで、気分転換をする
前述したように、ストレスとアトピーは大きく関わっています。そのため日ごろからストレスを溜め込まない工夫が大切です。
それには日常生活から少し離れる程度の、手軽な気分転換がおすすめです。
たとえば「日帰り旅行に行く」「歌を唄う(カラオケ)」「趣味を楽しむ」などは、手軽に行える気分転換です。
またストレスを溜め込まないためには、ストレスを感じた時だけでなく、日常的に気分転換を取り入れることがポイントです。
湯船に浸かってリラックスする
湯船に浸かるとリラックスするので、ストレス解消になります。また湯船に浸かることで血液の流れが良くなり、老廃物を体の外へ出す働きも高まります。
これらは、アトピーの改善に効果的です。
お風呂はシャワーだけですませるのではなく、なるべく湯船に浸かることをおすすめします。
瞑想や呼吸のエクササイズをする
瞑想や呼吸に意識を集中したエクササイズ(複式呼吸)は、心を落ち着かせるだけではなく、ストレスに対する抵抗力(ストレス耐性)を強めることにも役立ちます。
日常生活に瞑想や呼吸のエクササイズを取り入れて、アトピーケアに役立てましょう。
まとめ
ここでは「大人のアトピーに関係が深い生活習慣」と「大人のアトピーケアにおすすめする、生活習慣の改善方法」を紹介しました。
「食生活の乱れ」「睡眠不足」「ストレス」は、大人のアトピーに大きく関わる生活習慣です。
そのため大人のアトピーを治すには、「新鮮な食材を食事に取り入れる」「就寝前にパソコンやスマートフォンを使わない」といった、生活習慣を改善することが大切です。