アトピー症状があるとき、水道水を飲み水にして良いのか悩むことがあると思います。
水を飲むことは、皮膚の健康に役立ちます。ただアトピーのある人が水を飲むときには、水道水をそのまま飲むのは避ける方が安心です。
水道水には「有毒な消毒剤が使われている」ことや「劣化した水道管による水質悪化」などがあるためです。
ここでは、「水道水とアトピーの関係」について解説したあと、「アトピー症状がある場合に飲む水の注意点」について紹介します。
Contents
水道水がアトピーに影響する理由
水道水がアトピー症状に影響する理由は、3つあります。
1つ目の理由
水道水に「塩素」が使われていること
塩素は殺菌力のある化学薬品です。水の中に存在する病原菌や雑菌を消毒するため、水道水には塩素が含まれています。
塩素は水を消毒する効果がある一方で、人体に有害な物質です。そのため必要以上に塩素が使われていると、健康が損なわれる恐れがあります。たとえば「喘息などのアレルギー反応」や「皮膚の乾燥、かゆみ」につながることがあります。
水道水に含まれる塩素の量は一般的に、「人体に影響のない、安全な量」と言われています。
しかし水道水に入れる塩素の量に、法律的な上限はありません。そのため水源の水質が悪ければ、塩素の量は増えることがあります。すると水道水を飲み続けることで、アトピー症状が悪化してしまう可能性があります。
2つ目の理由
「水道管の劣化」による水質の悪化
たとえば下の写真は、私が住んでいるマンションで使われていた給水用の水道管です。大規模修繕が行われたときに、交換前のサンプルとして展示されていました。
写真を見ると分かるように、管には錆(さび)のような汚れがこびり付いています。飲み水用に使われてきた水道管とは思えない汚れ方で、本当に驚きました。
こうした錆は、水道水にも溶け込んでいる可能性があります。実際、水道管の交換が行われた後、私の家では洗面台やお風呂場に付いていた「茶色い水垢(あか)」が付かなくなりました。
このように水道水は浄水場で消毒されても、水道管を通って家庭に届くまでの途中で、汚れてしまう可能性があるのです。
3つ目の理由
多くの水道管に毒性のある「鉛(なまり)」が使われてきたこと
鉛製の水道管は「錆が付きにくい」「価格が安い」「加工しやすい」といった理由から、古くから全国各地で広く使われていました。
しかし鉛の毒が水道水に溶け出す問題が明らかになり、平成6年に水道管への鉛使用は禁止になりました。
その後は少しずつ別の素材に切り替えられていますが、水道管は土に埋められているため交換が難しく、まだ多くの鉛製水道管が残ったままです。
鉛は少量でも、人体に悪い影響を与える有毒物質です。水道管が全て安全な素材に切り替わらない限り、鉛に関する水道水への不安は解消されません。
アトピーの人は、有害物質や不要物を排出する体内の力が弱くなっています。アトピー症状を悪化させる可能性がある水道水は、飲まない方が良いのです。
アトピー症状がある場合の水分補給
以上のように、水道水はアトピー症状がある人には適していません。
アトピー症状がある人の水分補給には、浄水器を使って水道水をきれいにしたり、ミネラルウォーターを買ったりすることをおすすめします。料理には浄水器を通した水を使い、水分補給にはミネラルウォーターを飲むという使い分けも良いです。
浄水するときは、浄水器や浄水ポットが、「ミネラル成分を残すタイプ」であるかを確認しましょう。ミネラルが塩素や鉛と一緒に除去されてしまうと、水がもつ「皮膚の新陳代謝を高める働き」が弱まってしまうからです。
人によっては「水道水を煮沸させれば塩素が除去されるので、浄水器やミネラルウォーターは必要ないのでは」と思うかもしれません。
しかし水道水を沸かせば塩素は除去できますが、酸素とミネラルも同時に失われてしまいます。沸かした水道水では、たとえ塩素が取り除かれたとしても、皮膚を健康にする水の力は弱まってしまうのです。
まとめ
ここでは、「水道水がアトピーに関わる理由」と「アトピー症状がある場合に飲む⽔の注意点」について紹介しました。
水を飲むことは皮膚の健康維持に役立ちますが、水道水をそのまま飲んでいると、反対にアトピー悪化につながる可能性があります。
アトピーの場合は浄水器や浄水ポットを使ったり、ミネラルウォーターを買ったりして、水道水をそのまま飲むのを避けることがおすすめです。